「ご利用は計画的に」なぜ?
消費者金融のテレビCMなどで、「ご利用は計画的に」という言葉を耳にすることがあります。なぜ、このような言葉が使われるようになったのでしょうか?
日本民間放送連盟という民間放送の業界団体があります。ここが定めている自主規制の一つとして、消費者金融等のCMに関しては「ご利用は計画的に」のような注意喚起の文言を含めるということが定められています。
これが、「ご利用は計画的に」という言葉をよく聞くことの直接の理由です。
背景としての歴史的経緯
ただ、この背景としては、以下に述べるような過去の経緯があります。
1980年代から90年代にかけ、消費者金融などからの借入を重ね、いわゆる多重債務を背負った人たちの自己破産や自殺の増加が社会問題となったということがありました。
その流れで、いわゆる「グレーゾーン金利」と言われる、法の隙間を狙った高い金利の設定や、過剰な借金の取り立てに関し、消費者金融の業界には社会の厳しい目が注がれるようになりました。
その後、金利の規定や過剰な取り立てに関する法整備(改正貸金業法の制定)が進み、また、消費者金融各社もイメージの一新に努めてきました。
その中で、テレビCMなどに関しても、こうした一般向けの注意喚起の言葉を含めるようにという自主規制がなされるようになったわけです。
実際、キャッシングやカードローンというのは借りる側からするととても便利で、お金が必要だと思ったときにはすぐに必要なだけ、近くのATMなどで引き出すことができます。
しかし、このように便利だからといって、何も考えずにキャッシングの利用を重ねた結果、返済に苦しんでいるという人が多いのも事実です。
そのことを忘れず、自分の収入と返済する金額を考えながら計画的に利用していくことが、キャッシングやカードローンの賢い使い方です。
多重債務の怖さ
キャッシングやカードローンというのは、借りるお金の残高が多ければ多いほど毎月の返済金額も多くなります。
1つの会社だけでキャッシングを行っている分には、月々の返済額にも上限が設けられることも多いので、計画的に利用することも比較的簡単です。
でも、複数の会社を利用するようになると、その金額は2倍、3倍と増えていきます。
そして、自分の収入のレベルに比べて月々の返済額が増えすぎてしまうと、結局返済が滞り、また別のところから借入を重ねるということになります。
こうしたことを防ぐためにも、キャッシングを利用する際には計画的に、という注意喚起がなされていると考えましょう。
自分の収入と返済に充てるための金額のバランスが取れているかどうか、きちんと考えた上で、上手に利用するようにしましょう。
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